23-11-2007
幻想3「ただ者ではない」
ただ者ではない。そうした者にまだ会えたことがない。ただ者でない者は、おそらく10㎞先からその存在が分かる。街が揺らぐ、人が走る、犬の遠吠えが前夜から始まる。
ただ者でない者は、歴史や世界の裏表を越えたところに君臨している。存在が言葉で、言葉は光だ。ただ者でない者は、僕たちとかかわりを持っていない。かかわりを持っていないのに、ただならぬかかわりを持っている。
ただ者ではない。そうした者の姿も声もまだ聞いたことがない。神ではないが、人間や生き物を越えた者。そうした者が確かにいる。確かにいると感じるが、まだ会えたことはない。
ただの幻想なのだが、このように感じる自分が何となく怖い。