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17-10-2008 幻想6「てのひらの虹」 てのひらに小さな虹がたつ。困ったとき、追いつめられたとき、握りしめていた拳から力を抜いてみる。そっと顔の前でこわばった指を開くと、小さな虹が美しく見えるのだ。 誰にも見えないようなので、あえて隠すこともなく。だからといって、人に話すわけでもないから、怪しまれることもない。ちょうど扇を七割ほど開いたような見事な虹だ。 とても小さく、ハツカネズミの頭ほどの大きさだ。小さな頃は誰にでも見えるものだと思っていたのだが、小学生にもなれば、次第に尋常なものではないと自覚し始めた。 この虹の光は何にも似ていないが、オパールの輝きに近いように感じることもある。このような美しい光は本物の虹では無理だ。どうあっても空に架かる虹と比べるというなら、その光をてのひらの上にぐっと凝縮したものだといったらよいだろうか。 ちょうど手相で言えば、頭脳線と生命線の根もとあたりだ。だから、てのひらと言っても、随分と左寄りで位置のバランスが悪い。 てのひらから立ち上る水蒸気がてのひらの上でとどまり、小さな水滴になって光を屈折させるのだろうかと思ったこともある。しかし、いつも左手ばかりに出るというのだから、それも考えにくい。だいいち夜でも見えるのだ。 ただひたすらに、困ったときや追いつめられたときに浮かび上がる虹だ。それなのに現状を変えてくれるような魔力は持っていない。不思議アイテムなどではないのだ。単に症状として出たものに過ぎないのかもしれない。それとも、まだ自分が扱い方を知らない未知のパワーの片鱗なのであろうか。いずれにしてもいつか知らぬ間に消えてしまうのだから、頼りないものであることには間違いない。 たとえこれがタイミングよく見える都合のよい幻視だとしても、本物の虹とどこがかわろう。どちらも事態は一向に好転せず、自力でがんばるしかないのだ。 ★ホームページに戻る Links naar je weblogDe URL voor de link naar dit weblogitem is: http://gt250.spaces.live.com/blog/cns!7C02D4D2C599DBDB!2264.trak Weblogs die naar dit item verwijzen
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